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最高の人生のための脳ミソ磨き

思考のトレーニング

課題論

会社で「課題分析」をしているのだがこれが思いの外難しい。課題を分析するとはどういうことなのだろうか。自分のつるつるの脳味噌で考えてみた。

 

問題と課題は別物か

混同しやすいが、おそれく別物だろう。問題は「problem」や「困難」といったことばに換言できるが、課題は「課されたテーマ」「達成すべき目標」と言い換えられる。問題という言葉は、それが解決可能かどうかを想定せずに使うことができる。課題という言葉は、それが達成可能であることが想定された状態で使われる。

 

少子化問題は読んで字のごとく問題である。多子化困難性とも言えようか。

 

問題は常に、向こうからやってくるように見える。受動的に認識する。認識せざるを得ない状況に、気づいたらなっている。今テレビをつけると東芝崩壊の問題が報道されている。

 

料理を作ろうとしたら材料が足りない。これも問題だ。

 

問題に対して、「それが達成されたら問題解決の一助になる」ということを念頭においてある切り口で具体化されたテーマが課題だ。定義の中に達成可能性を含んでいる。

 

少子化問題を課題に落とし込むと例えばこうだ。「共働きでも子供を産めるような福利厚生制度を大企業の80%に導入する」「10年以内に移民受入れ制限の大幅な緩和を実施する」などだろうか。

 

問題とは異にして、課題は常に能動的に捻出しなければ生まれてこない。

 

料理の材料不足問題を課題に落としこむと、「既存の材料で作れるレシピを開発する」「安価かつすばやく材料を入手できる経路を確保する」などだろうか。どうすれば問題を解決できるかを検討する過程で、人の頭からひねり出されるものだ。

 

原因とは何か

原因は「問題」と因果の関係にある命題だ。原因は「問題」の要因ともいえよう。

 

だから「課題に対する原因」という言葉はない。学校の先生が出してくれる算数の課題に原因はあるだろうか。無理に答えるとすれば、私たちの志望校合格困難性を解決するために算数の能力UPを先生が企てたため、と言えるかもしれないが、それは正確には原因とは言わない。「問題」という。

 

志望校合格ラインに足りないという問題。算数の能力が低いからという原因。2次方程式の公式を覚えるという課題。こういう関係性になっている。

 

だから「原因に対する課題」という言い方であれば違和感はないだろう。

 

対策とは何か

対策は「課題」を達成するための策(アクション)である。課題は問題から生まれることを思い出すと、対策は、結果的に問題を解決するためのアクションということになる。

 

問題に対する策だから「対策」なのだ。

 

災害対策本部は、災害という問題を解決するための対策を考える本部である。もちろん、問題から直接対策を考えるのではなく、まずは問題から課題を設定することが先決である。そして、その課題を達成するための対策を行うのである。

 

ところで、課題と対策は似ている。それは、課題がしばしば行動目標になりがちだからだ。「〜する」という言葉でしか語れない目標は行動目標だ。上述の「既存の材料で作れるレシピを開発する」は行動目標だ。うわべだけ見ると、対策と同様にアクションの体をしているという特徴がある。

 

目標とは何か

既に述べたように、目標は課題とほぼ同義だ。ただし、課題という言葉は達成可能性を含んでさえいれば良いが、目標という言葉は更に達成を目指すことが前提としていなければならないという違いがある。

 

ある問題を解決するのに10個の課題が出たとしよう。そのうち、達成可能性の確度や達成までにかかる時間などを総合して、その中から優先的に取り組むべき課題5つを絞ることができる。一方、10個の目標があると言ったとき、その時点でそれら10個の達成を前提にしていることになる。10個の達成を目指している状態とも言える。

 

「今年の目標は3つあるんだ、でも、そのうち1つは難しいから来年までに達成すればいいや」ということばは矛盾している。このひとの今年の目標は本当は2つしかない。

 

そして、目標には行動目標と結果目標がある。

「〜する」という言葉でしか語れない目標は行動目標だ。上述の「既存の材料で作れるレシピを開発する」は行動目標であったことを思い出して欲しい。

一方、行動目標ではなく結果目標を、課題として定めることもできる。結果目標は「〜という状態になる」という言葉で語れる目標だ。上述の「共働きでも子供を産めるような福利厚生制度を大企業の80%に導入する」は「共働きでも子供を産めるような福利厚生制度が大企業の80%に導入された状態にする」と言い換えることができるので結果目標だ。

 

ある問題を解決しようと考えたとき、どちらのタイプの目標を課題として設定すべきだろうか。これは難しいが、結果目標の達成が困難であるときに代わりとして行動目標を立てるということがよくある。「睡眠時間を確保するため、23:00には就寝している状態にする」という結果目標は、夜に仕事が突発的に飛び込んでくるなどの阻害因子のせいで、気がついたころには達成が困難になっていることが多い。だから、22:30にはベッドに入って瞼の裏に今日身に起きた楽しいことを想起するなどの行動目標を立てるほうが有効だ。

と、なると、結果目標を達成するために行動目標があるのだろうか。「対策」と行動目標は結果として同一のものなのだろうか。これも難しいが、かなり同一に近いものだと認識している。ただ、対策のほうがより明確に具体化されていてるアクションだと考えている。

上述の睡眠の課題に「21:00以降はスマホとPCの電源を切る」という対策を立てれば、より確度高く22:30にベッドに入って安眠に入れるだろう。